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2016年12月13日

ナイキが人間の可能性に挑戦するイノベーションプロジェクト
「Breaking2」を発表

ナイキは、人間の可能性に挑戦するため、マラソンでの2時間切りの実現という、これまでにない大きなゴールを目標にしたイノベーションプロジェクト「Breaking2」を発表します。

この不可能とも思える挑戦を実現するためには、現在の男子世界記録のタイム、2:02:57を3パーセント短縮することが必要です。しかし、これまでの数々の挑戦がそうであったように、不可能を可能にするチャレンジこそが、スポーツの未来を作る機会となるのです。

この挑戦のために、ナイキでは科学からスポーツ分野にわたるさまざまなリーダーたちと協力し、アスリート、プロダクト、トレーニング、栄養、そして環境まで、包括的な視点からのアプローチを進めます。

Breaking2は、未知なる分野を開拓し、不可能を実現できるのか。これはまさに、地球上のすべてのアスリートにインスピレーションとイノベーションを提供する、というナイキのミッションを具現化したプロジェクトと言えます。

ミッション

1954年、ロジャー・バニスター卿が初めて1マイル(1.6km)、4分の壁を破りました。バニスター卿は記録を作っただけではなく、彼はアスリートの能力に対する意識を変え、他のアスリート達にインスピレーションと自信を与えたのです。それから1年も経たないうちに、24名のランナーが同じ偉業を達成しました。

この逸話は、不可能を可能にするには、実現することを心から信じることが重要であると、私たちに教えてくれます。ナイキの共同創立者であり、伝説的な陸上コーチでもあったビル・バウワーマンも、「ランニングの本当の目的はレースに勝つことではなく、人間の心の限界を試すことなのだ。」と話しています。つまり、Breaking2はマラソンだけにとどまる話ではありません。

このプロジェクトは、限界に挑戦することであり、その限界を超えるためには、プロダクトに何を求めるかを見直すことも重要です。この挑戦は、ナイキにとって、ランニングというスポーツの理解をより深める機会となり、そこで得たものは、今後、プロダクトからサービスといった、ナイキのあらゆる側面に反映され、すべてのランナーをサポートすることに繫がると考えています。
失敗を恐れず、このプロジェクトに挑戦することに意味があると考えています。

アスリート

マラソンでサブ2を走るには、全長26.2マイル(42.195km)のそれぞれのマイルごとに、7秒短縮することが求められます。世界最速のランナーにとって、これは大きな挑戦です。

ナイキは、多くの時間を費やし、この挑戦に臨むのに最適な能力を備え、かつ勇敢な3名のエリートアスリートを見極めました。

不可能ともいわれるサブ2の記録達成に挑戦するのは、ケニアのエリウド・キプチョゲ、エリトリアのゼルセナイ・タデッセとエチオピアのレリサ・デシサです。彼らは未知の世界に怯むことなく挑んでいきます。

エリウド・キプチョゲ

エリウド・キプチョゲは、1984年11月5日にナンディ県カプシシイワ生まれの32歳で、これまでにオリンピックや世界大会などでもメダルを獲得しています。ランニングを始めたのは高校を卒業してからで、それ以来現在に至るまでずっとパトリック・サングコーチに師事しています。

2003年、エリウドはIAAF 世界クロスカントリー選手権5000mで世界ジュニア記録を更新した後に長距離デビューを果たし、同年の世界陸上では世界チャンピオンになりました。2012年にはハーフマラソンで59:25の自己ベストを記録しています。

2004年のアテネ五輪5000mでは銅メダル、2008年の北京五輪の5000mでは銀メダル、そして2016年のリオでは男子マラソンで金メダルを獲得しました。

2015年のベルリンマラソンでは、それまでのパーソナルベストを5秒上回る2:04:00で優勝。2016年のロンドンマラソンではその記録をさらに上回るコースレコードの2:03:05を記録しました。

ゼルセナイ・タデッセ

34歳のゼルセナイ・タデッセは、1982年2月8日にエリトリアのアディ・バナで生まれました。2004年のアテネ五輪 10000mで銅メダルを取り、エリトリア人初のオリンピックメダリストとなりました。また、2006年のIAAF 世界ロードランニング選手権の20kmで優勝し、エリトリア人アスリートとして初めて世界選手権優勝を果たしました。

ゼルセナイは、2006年から2009年の世界ハーフマラソン選手権で4連勝を果たし、2012年にも再度優勝しています。2010年のリスボン ハーフマラソンでは世界記録を樹立し、IAAF 世界クロスカントリー選手権では金、銀と2つの銅メダルを獲得しています。さらにゼルセナイは2004、2008、2012、2016年の4度のオリンピックに出場を果たしています。

2009年ゼルセナイは、1年のうちに3つの異なるサーフェスで3つの世界選手権のメダルを獲得した2人目のアスリートとなりました。現在、男子ハーフマラソンの世界記録58分23秒の保持者です。弟のキダニ・タデッセもプロの長距離ランナーとして活躍しています。

レリサ・デシサ

26歳のレリサ・デシサは、エチオピアのシェワで 1990年1月14日に生まれ、ランニングを初めて間もない頃は、主にロードレーシングに取り組んでいました。彼が大きな活躍を見せたのは、2010年のザイエド国際ハーフマラソンで、60分を切る記録で3位を獲得してからです。以来ボイラーメーカー15k、チェリーブロッサム 10マイルレース、ボールダー・ボールダー10kやデリーハーフマラソンなどの大きなレースで優勝しています。

レリサがマラソンデビューしたのは2013年のドバイ・マラソンで、2:04:45を記録しました。その後2013年のボストンマラソンに優勝しましたが、爆発事件に見舞われたこの大会の犠牲者への哀悼の意を示すため、受け取ったメダルはボストン市に返納しました。

2015年には2:09:17でボストン マラソンで2度目の優勝を果たし、2016年には2位の成績を収めています。

チーム

ナイキは常に打ち破る壁を求めていますが、その中でマラソン2時間切りという挑戦は何度も浮上していました。ランニングへのたゆまない情熱を原動力に、ナイキでは2013年に、この目標を念頭に置いたマラソン用シューズの開発を始めました。これは、2014年の夏にはマラソン2時間切りのための正式な取り組みとなり、Breaking2 チームの発足となりました。

このチームは、運動力学、コーチング、デザイン、エンジニアリング、素材開発、栄養、スポーツ心理学、生理学など、各分野の世界クラスの情熱的な専門家からなります。幅広いスキルや知識を連携させることで、分子レベルでのパフォーマンスの理解を目指します。また、Breaking2を実現するため、天候から着用するアパレルに至るまでのあらゆる細部にもこだわり、エリウド、レリサとゼルセナイが能力を最大化できるように努めます。

イノベーション

アスリートが完璧にレースを走るために、最も革新的なプロダクトが求められます。これは Breaking2にとっても大事な核となり、ナイキは優れた機能性をもったプロダクトを提供していきます。Breaking2では長年にわたる広範な研究開発の成果である画期的なイノベーションを導入していきますが、これはあらゆるランナーに役立つ可能性を秘めています。

挑戦

今までよりもっと早く走るために、環境は欠かせません。コースやコンディションを慎重に検討し、1秒1秒が最適な状態で走れるようにします。サブ2を目指すレースの日時や場所は来年発表いたします。

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