陸上シーズン真っ只中の6月20日、WA公認の1マイル(1609.344m)ロードレースが東京・銀座のKK線で開催される。
スピード、戦術、そしてドラマ。最強マイラーの称号を賭けて、中長距離選手たちが一斉に競い合う。銀座という非日常の舞台で、スピードレースの極致を体感できることこそ、GINZA MILEの大きな魅力だ。
GINZA MILEは、旧高速道路で開催される特別なレースである。コースの周囲はビルに囲まれ、東京という都市の雰囲気を存分に味わえる。そこで見ることのできる光景は、これまでのロードレースともトラックレースとも異なる、現代のランニングワールドにおける新体験となるだろう。
また、1マイルという競技は、日本ではまだ比較的新しく、刺激的なレースフォーマットだといえる。今回走るランナーも、応援に訪れるサポーターも、参加前に1マイルレースの歴史を知ることで、GINZA MILEをより深く楽しむことができるはずだ。
1マイルレースとはAbout 1 Mile Race
1マイルレースは、18〜19世紀に賭け事を伴う競走として英国で始まった。その後、陸上競技全般がメートル法に移行し、1500mがオリンピックの開催種目になった後でも1マイルは消滅することなく、その競技性をより高めていった。
1954年5月に英国のロジャー・バニスターが人類初のマイルSub4を達成。その前年に人類初のエベレスト登頂が達成されており、当時はSub4への道のりがエベレスト登頂と同等に「困難な挑戦」だと考えられていた。しかし、偉業の達成後は人類の可能性が引き上げられ、どちらも達成者数が徐々に増加していった。
1970年代前半に全米陸上界の伝説として名を馳せたスティーブ・プリフォンテーンもSub4達成者の1人だ。彼は当時、1マイルよりも長い種目においてアメリカでの連勝記録を重ねていたが、1マイルでは幾度も敗北を経験している。それは、1マイルがより競争の激しい種目であることを意味していた。
現在、オレゴン大学のヘイワードフィールドでは、毎年プリフォンテーンクラシックが開催されているが、そのメインレースが「バウワーマンマイル」だ。メートル法が基準の陸上競技で今でも1マイルレースの存在意義は大きいのだ。現在の世界記録は男子がヒシャム・エルゲルージの3分43秒13、女子がフェイス・キピエゴンの4分07秒64である。
かつて、マイルSub4やエベレスト登頂が「人類の夢」であったように、NikeはキピエゴンのBreaking 4の挑戦を通じて、女子1マイルにおける人類の可能性を探った。バニスターからキピエゴンなどこれらの挑戦は、アスリートたちの飽くなき探求心や原動力を突き動かし、より前進させたといえるだろう。
そんな、1マイルの歴史でも比較的新しいのがロードでの公認1マイルレースだ。
その背景には2023年1月1日以降、世界陸連(WA)認定コースでのロード1マイルの公認記録が、正式に世界記録の対象となったことが契機となった。それ以降、日本でもGINZA MILEなどロードでの公認1マイルレースが増加。国内レースでも日本記録が生まれており、今後もマイルレースは大きなポテンシャルを秘めている。