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2015年12月11日

バスケットボールの物理学 基礎編
ナイキ カイリー 2を生み出したカイリー・アービングの優れた動き

クリーブランドのポイントガード、カイリー・アービングは、バスケットボールを生みだしたとされるドクター・ジェームズ・ネイスミスが想像だにしなかったようなレベルで、アイザック・ニュートン卿の重力の法則の限界を打ち破っています。その結果生まれたのが、アービングにとって2 作目のシグネチャーシューズとなるナイキ カイリー 2のユニークなデザインで、アウトソールも彼の厳しいバンキングやカットインの動きをサポートするため、他とは異なる設計で仕上げられています。

ナイキ カイリー 2
¥15,660(税込)/25-32cm

ナイキ カイリー 2は、オールスターのポイントガードであるカイリーに合わせた仕様に設計・開発されています。

ESPNの番組「Sport Science」のディレクター、ジョン・ブレンカスが、先に述べたニュートンの重力の法則に触れながらアービングのプレーを説明してくれました。

カイリーの必殺技 クロスオーバードリブル

アービングは、バスケットボール史上最も素晴らしいクロスオーバードリブルをこなすと言われています。
「ボールを運ぶ平均スピードが21 マイル(33.6km)のドリブルは、平均的なプロのドリブルの2倍の速さです。カイリーは3分の1秒の速さでドリブルの動きをこなしています。」とブレンカス。

350kgの力でコートを押し進み、体を40度傾けた難しい状態から攻撃をこなす。この時アービングはクロスオーバーをこなしながら4gの加速度を経験しているのです。(ちなみに、これはロケット発射時に宇宙飛行士が感じる平均的な重力加速度よりも1g分大きなものです。)つまり、大変大きなプレッシャーの下でも機能を発揮できるフットウエアを、彼は必要としているということです。

デザイナーのリオ・チャンが描いた、体を傾けた状態での回転の様子

ナイキは、アービングがシューズの側面を床につけた状態の動きなど繰り返し観察した結果、かかとと中足骨の部分の角に曲面を取り入れ、足がコートに叩きつけられた時にもアービングの力が失われることなく、体重が素早く移動し、瞬間的にカットインの動きができるようにしました。

アービングの動きと力の研究からミッドソールとアウトソールの角度や構造が導かれました

ニュートンの第三法則である、全ての作用には同じ大きさで逆方向の反作用があるという法則のとおり、ナイキ カイリー 2にもアービングが床に与える巨大な力をサポートし、それを跳ね返すことが求められます。それによりポイントガードのカイリーが素早いスピードで飛ぶように走り、ディフェンスに食い込んで進むことが可能になるのです。

「まるで、体重がボールに跳ね返されるような感じになります。」とレオ・チャンがシューズの曲線的な側面について説明します。オールスタープレイヤーレベルの力や速度を念頭に(ニュートンの第二の法則:物体に作用する力が速度を変える)、ナイキは大きめのウエビングを取り入れてグリップ性を高めるなど、カーブしたシューズ側面のトラクションパターンも強化し、アービングが横方向に動きを変える時にもこれまでになく正確な動きができるようにしています。

「ディフェンダーを疲れさせて、もうガードしたくないと思わせるまで、2つ、3つ、4つ、5つ、あるいは6つもの動きを続けていくのです。」と、アービングは自らの容赦ない攻撃の戦略を語ります。

カイリーの無敵のプルアップジャンパー

アービングはディフェンダーを翻弄させるだけではなく、素速い動きからプルアップジャンパーもこなしてしまいます。

「カイリーは0.2秒の間に時速20kmからゼロへの減速ができるのです。そしてドリブルしていたボールを手にして、0.49秒でシュートに移ります。ステップバックの時には、0.37秒で1.8mの差を生み出すことができ、さらにコートから飛び上がればボールは2.7mの高さから空中へとリリースされます。」とブレンカスは述べます。

ニュートンの第一法則によると、それほどの速さの動きを突然止めようとする場合、外からの力がかからない限り、足は前方向の動きを続けようとします。この時に役に立つのがナイキ カイリー 2のトラクションパターンと(足首の周りではなく、足の甲部を包み込む)ストラッピングシステムです。

内側から外側に伸びて足を包む新しいタイプのストラップが足をしっかりとサポートします。

ストラップは、加速や減速の時に、かかとをシューズにぴったりと安定させておくためのデザインです。」とチャンは述べます。「ボクサーが相手を打つ時にグローブの中で手がブレることを嫌うのと同じように、アービングの足も地面を捉える時にしっかりとシューズの中に安定させておくべきです。」

かかとのズーム エアは加速の時にアービングの体重がかかとからつま先に素早く移動するのに役立つと同時に、減速の時には衝撃吸収性を発揮します。

カイリーのあくなきホールへの挑戦

「スリーポイントラインで立ち止まった状態から、カイリーなら1.5秒の間にリムに到達することができます。これは平均的なポイントガードより15%速いスピードです。」とブレンカス。

破壊的にしかもスムーズに人の目を欺き、カットインをこなし、あるいはクロスオーバーの時にスピンムーブも見せる。そして相手が方向を変えている間に彼はペイントエリアにまで入ってしまうのです。

「スリーポイントラインからの動きで、彼の足はのべにして1.5tの力を生み出します。」と、ブレンカス。これが意味することは、ニュートンの第2の法則にも従い、アービングの力によって、ディフェンダーが押しのけられる前に逃げるべきだということです。

また彼は前向きの力を、まばたきをするのとほぼ同じ0.4秒の間に2回もシフトさせることができます。まぶたを一度動かす間に、オールスターのポイントガードが敵のガードの前から消えてしまうのです。

究極のグリップを生み出すソール全体に、改良されたヘリンボーン トラクション パターンが採用されています。

ナイキ カイリー 2の前足側面を包み込み、さらに靴底全体に広がる新しいトラクションパターンは、アービングがあらゆる角度から攻める時の動きに対応してグリップ性を発揮します、とデザイナーは付け足しました。

アービングはハードウッドのコートの上に力を働かせ(プレイヤーは床面を動かすほどの力はないことから)、ニュートンの第3法則のとおり、床は同じ大きさの逆方向の力を彼に与え、それがプレイヤーの推進力となります。ミッドソールの反発性のあるクッションがその1歩目のスピードを高め、前足部のピボットサークルのパターンが素早い方向転換を促し、ディフェンダーを惑わせます。

通気性のあるアッパーメッシュが足を包みこみ、様々な足に対応するよう採用されたフライワイヤーケーブルが自然なフィット感と優れた安定性を生み出します。

ナイキ カイリー 2のシューズボックス

カイリー・アービングの足首の動きを分析すると同時に、物理学の勉強もできたので、これで期末試験の準備は万端でしょう。しかしナイキにとって大事なテストは、ニュートンの法則を現実の動きに応用することなのです。

ナイキ カイリー 2は、NIKEiDで利用することができます。 ナイキ カイリー 2のインフェルノカラーは1月1日よりそれぞれnike.comと一部専門店で販売する予定です。

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