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2016年1月19日

ジョーダン ブランドがエア ジョーダン XXXを発表:
新しい限界に飛び立つ

エア ジョーダン XXXのデザインの作業がいつから始まったかという質問は、簡単に答えられるものではありません。マイケル・ジョーダンが生まれた1963年2月17日とも言えるし、あるいはこの偉大なプレイヤーがナイキのサポートをスタートした1984年10月24日という意見もあるでしょう。また、最初のシグネチャーシューズが発売された1985年4月1日、エア ジョーダン 3を始めて着用した日、シカゴで行われたスラムダンクコンテストで空中に浮き上がるシュートを見せた1988年2月6日であるという答えもあります。チームの勝利を決めるシュートから個人の活躍、タイトル獲得まで、様々な瞬間の積み重ねがジョーダンの歴史の中に織り交ぜられています。しかし、その歴史の一つ一つに目を向けることは、木を見て森を見ないようなことになります。エア ジョーダン XXXは、プレイヤーそしてデザインコラボレーターとしてのジョーダンの進化の積み重ねがユニークな形に仕上げられたプロダクトなのです。

シューズの中の一つ一つの要素は、プレイヤーであるジョーダン及びジョーダンブランドの進化に欠かせない、機能性向上のための意見や設計に関するアイディアを反映させて生まれたものです。そのデザインプロセスの一番最初には、重要ながらそれほど知られていないある日の出来事がありました。それは、2015年2月の大変寒い週末、彼の誕生日前に行ったパーティのディナーで、ジョーダンは長期にわたりデザイン・コラボレーターとして付き合ってきたティンカー・ハットフィールドに、その日の記念となるシューズのデザインを持ちかけたことです。「次の日の朝にシューズの絵を描いていました。」とハットフィールドは思い返します。「大変なことになったと思っていました。何より時間がないのです。また同時に、ただ普通のシューズのスケッチでは足りないと思いました。そこで、あのスラムダンクコンテストの時のマイケルの写真をもらって、そこから絵を描き始めたのです。」

エア ジョーダン XXXは、日本で2016年2月13日より一部小売店およびJordan.comから販売予定です。

AIR JORDAN XXX
PRICE: ¥32,400(税込) / SIZE: 26-29,30,31,32cm

ティンカー・ハットフィールドが描いた
エアジョーダンXXXのオリジナルスケッチ

ティンカー・ハットフィールドとエアジョーダンXXX

アジョーダン XXXの素材

エアジョーダン XXXのつま先の素材

MJが一人コートの上で、右耳の後ろにボールをつかみ、足を身体に近づけるように曲げてフープに向かって飛び上がる写真は、ハットフィールドに1988年の記憶をよみがえさせるものでした。この写真から受けた刺激を元に、デザイナーは独自のイラストを付け加えました。その結果、ジョーダンの歴史が一風変わった方法で蘇るとともに、シューズのデザインのインスピレーションも生まれたのです。

30を意味する”XXX”がバスケットボールのネットに変わり、幾つもの星はアスリートの並外れた才能を表現します。同時に、ジョーダンの宇宙を回る惑星のような存在とも言える、過去のジョーダンモデルで始めて採用されたイノベーションに関連するエレファントプリントやカーボンファイバーがその表面に見られます。この絵を描き続ける中、同僚デザイナーのマーク・スミスの助けも得て、ハットフィールドはジョーダンの物語を幅広く伝え、これまで語り伝えられた過去に止まらず、未来にも目を据えた時代を超える性質を持つエア ジョーダン XXXのストーリーを形成していきました。

ハットフィールドはこのようなアプローチについて、「良い形に完結していると思います。車、建築物、音楽などに影響を受けた、外的要因に基づくストーリーというよりも、内面的なストーリーを表現したものになっています。もちろん、外的な要素もとても良いツールにはなりますが、今回はとても違った性質になっています。ある意味、私の頭の中にあるものだけから生まれたとも言えます。」

この斬新なアプローチの結果が、エア ジョーダン XXXの主要な5つの部分に象徴されています。

1. カットの高さ

「バスケットボールの世界ではどれだけシルエットを重視していたか、ということを思い返していました。ミッドカット、ハイ、ローなど、機能面だけの問題ではなく、その年ごとの特徴があるのです。」と、ジョーダンのモデルを新しくするたびにシューズの高さを変更させることが、ブランド全体の標準的行動になっていったことをハットフィールドは説明します。「高さを抑えることで、シューズがきちんとした印象になることにも驚いています。」ジョーダンが唯一求めていたことは、「早く見えるものにする」ことだったとハットフィールドは記憶しています。このリクエストは、かかとを包み込み、前足部にまで伸びるXXXのグラフィックによっても実現されています。

エアジョーダンXIIを彷彿とさせる左右非対称のXXXのトップラインは、これまでにないタイプのニット素材を履き口に使用して仕上げています。一瞬にしてジョーダンらしさがうかがわれる一方、これまでのモデルよりもソフトでスリム、さらには素材が生み出す特有の感触も生かされています。

2. つま先

ジョーダンシリーズのもう一つの特徴は、つま先部分がスムーズに仕上げられていることです。「マイケルは、シューズを履いた足を見下ろした時の印象にとてもこだわるのです。」とハットフィールド。これが特に顕著なのがXIです。パテントレザーがつま先部分まで優雅に包み込んでいます。それによって足のサポート性も得られました。

形と機能のシームレスな連動がエア ジョーダン XXXにも見られます。その特徴的なものは、マーク・スミスが採用したドットをつけるような新しいプリント技術で、耐久性と通気性を実現すると同時に、ジョーダンの好む形にも仕上げられています。

3. トラクション

履き口やつま先ほど目立つ部分ではありませんが、それらに劣らず重要なのがトラクションを確保することです。ハットフィールドは、エア ジョーダン XX9のフライトスピード構造が「ジョーダンシューズの土台としては、これまでに作った中でおそらく最も機能性に優れたもの」だと言います。しかし、ハットフィールドとスミスは単に新しいヘリンボンパターンをエア ジョーダン XXXのために使おうとしたわけではありません。二人はジョーダンの「2番目の卓越はあり得ない」という言葉をインスピレーションに、新しいトラクションシステムのデザインを描き、それがラッセル・ウエストブルックのような頂点に立つアスリートのニーズに応えるために立体的な形に仕上げられました。

4. 素材

ブランドの草創期から、素材の活用方法がジョーダンスタイルの成功に欠かせない要素でした。布帛、ニット、プリント入り素材の独特の組み合わせのアッパーで登場するエア ジョーダン XXXも例に漏れず、他にない素材のミックスがアッパーの特徴となります。

ハットフィールドにとって、これは適切な場所に適切な性質のものを配置することに他なりません。布帛アッパーは「強さ」を生み出すため、「強度を確保したいシューズの本体部分に使うのが適しています。また、グラフィック要素を織り込むことも可能です。」足首とシューズ内部に使用したニットは「柔らかさと通気性」を提供します。

5. フィット

ニットを使用することで、シューズの内側からもそのフィット性に配慮することが可能になります。「シューズに足を入れたときに、かかとの下にある踵骨がしっかりと固定されるように、かなりの時間を費やして設計しました。」とハットフィールド。エア ジョーダン XXXについては、ニット素材の、かかとをゆりかごのように包む「クレードル」を用いて、かかとのズレを防ぐと同時に、シューズ生産に必要な接着剤の量を減らしています。「これまでの失敗や成功から学び、その知恵を蓄えていくべきです。」とハットフィールド。

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