2016年7月12日
マリオ・ゲッツェとマジスタ 2
足のデザインがフットボールをするために進化したとしたら、どうなっただろう?この疑問がマジスタ 2の製作の中心にありました。科学的実験の発展や試作品製作時間の短縮のおかげで、タッチやトラクションの進化に力をいれたスパイクのデザインが出来上がりました。
「進化や形態学についての研究を読んでいるうちに、手や指のしわ、指紋は、濡れた表面や道具をしっかりとつかむために進化した結果だという仮説に興味を持つようになりました。もし足の最優先の使用目的がフットボールであったのなら、進化の過程でどのような適応が起こるのだろうかと考えるようになったのです。」とデザイナーのフィル・ウッドマンは述べています。
マジスタ 2の製作に向けて、ウッドマンは上記の考えをもとにそのシルエットを見直しました。ナイキ フライニット テクノロジーを擁したデザインはスパイクの印象を変え、ピッチ上で感じる印象やタッチを一新し、繊細な動きに対しても足をしっかりサポートし、脳とボールの間の距離をさらに近くします。
「感じることと、その感覚を増幅させることにフォーカスしました。」とウッドマンは述べます。「ボールをよりよく感じられるようにすることで、プレイヤーは自信を持って余計なことを感じずにピッチで創造的なプレーができるようになります。」
ウッドマンはナイキスポーツ研究所(NSRL)の協力で、足のどの部分が最もボールタッチに対して繊細に触れているかをチェックし、スローモーションフィルムを用いてボールコントロールの際、足のどの部分が用いられているのかを調べました。この研究から得られたデータを温度差で示すような「ヒートマップ」の形にし、それを足型に重ねてみました。すると、ボールタッチで足の感度の高い部分、ボールコントロールで有効に使われている部分やボールをさばく部分にかなりの重複があることが判明しました。
この情報をもとに、温度に例えると高くなる部分の感覚を増幅させることを念頭に、ウッドマンは3D印刷を使って様々な大きさの隆起やくぼみをつけたテスト用アッパーを製作しました。これは、アッパー全体が一様であった初代のマジスタとは大きく異なります。「マジスタ 2のアッパーは、足の一部のように機能することを目指しました。」とウッドマンは続けます。「ボールがスパイクにタッチするときに、プレイヤーがその感触にすぐ反応できるように、さやのような形状のクッション性を生む素材を使っています。」
アッパーに凹凸をつけても、シューズの不要なスペースをなくすことによってオリジナルのマジスタと使用する素材の量は変わりません。最もボールをタッチする部分を隆起させ(4.5mm)、この部分がしっかりとボールタッチできるようにしています。
「ナイキ フライニットの技術を新しく応用したものです。」とウッドマン。「一つ一つの編み目まで精密に仕上げることができるフライニットだからこそ、重さや素材の合わせを増やすことなく立体感を生み出すことが可能になったのです。
これまではアッパーの上から素材を加えることをしてきましたが、これからはアッパーそのものを立体的にすることができるのです。」これらの進化は、今までよりも身体の形に合わせた、曲線に仕上げられたダイナミックフィットカラーにも生かされています。足首の骨の形になじむような形状で、しっかりと足首を包むために厚目の編みで仕上げています。アキレス腱にしっかりとフィットし、快適性を高めます。シュータンのない構造で、シューレースの下には薄めのパッドをつけることで、ボールタッチの多いこの部分をしっかりと包みます。
さらにフィットを高めるため、マジスタ 2ではかかとを安定させるヒールカウンター部材を内側から配しています。ナイキ グリップ ソックライナーが、スパイク全体のトラクションシステムの一部として、スパイク内の足の安定感を高めます。
ソールプレートのスタッドの配置も、プレースタイルごとに最適なトラクションパターンを科学的にテストすることで推測の余地をなくし、FEA データを活用して一新されました。「マジスタ 2のトラクションに科学的研究を用いたことが、これまでとは全く違う結果を導いてくれました。」とウッドマンは述べます。「このスパイクを見ると、これまでの円柱形のパターンがまるで白黒テレビのように感じられます。プレイヤーもすぐに違いに気づき、とても良い反応を見せてくれています。」
新しいトラクションパターンの重要な点は、一つ一つのスタッドがどう機能しているのかではなく、その配置によってプレートがシステムとしてどのように機能するのかにあります。マジスタ プレイヤーにとって、足を回転させる動きは重要なため、母指球の周囲にV字のスタッドが配置されています。これはナイキスポーツ研究所(NSRL)のFEA データに基づいたものです。さらに、加速のために半円柱系のスタッドが足の外側と内側に、かかとの安定感向上と、スピードを止めるためのスタッドもそれぞれデータに基づいて配置されています。このような先進的なトラクションシステムのソールプレートは、オリジナルの85gに比べても大変軽い60gに仕上げられています。
マジスタ 2の流れるようなカラーは、ヒートマップを重ねたデザインに加え、特に足首部分から足先までのスムーズな足の動きを実現する仕様になっています。
「マジスタ 2のテストサンプルには、データを理解するためにヒートマップを描いていました。」とウッドマン。「それが実に印象的で、ピッチ上では他に例を見ない美しさを作り出したのです。」
ナイキ マジスタ オブラ II AG-PRO
¥37,800(税込) /24.0-30.0cm
※アウトソールはAGのため、上記画像と異なります
ナイキ マジスタ オーデン II HG-E
¥18,360(税込) /23.0-30.0cm
※アウトソールはHG のため、上記画像と異なります
マジスタ 2は、NKE FOOTBALL アプリで7月25日より、NIKE.COMで7月27日、一部専門店で7月28日より発売されます。
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