2016年7月14日
ダフネ・シパーズは、昨夏に200mで金メダルを獲得し、短距離選手の中で、スターの地位を確固たるものとしました。
2015年8月28日の世界選手権200m(北京)では、追い上げてくる選手を0.03秒の差でしのぎ、金メダルを獲得。同種目で、史上3番目に早い女子選手となりました。これは、シパーズが短距離に専念すると発表してからおよそ2ヶ月、さらに、同大会100m決勝で(1位選手と0.05秒の差で)2位を勝ち取ってからたった4日後の出来事で、彼女の決意を裏打ちするものとなりました。
その2年前のモスクワ世界選手権では、7種競技の選手として表彰台に立ち、オランダ人女性としては初の銅メダルを獲得しました。
1992年6月15日、オランダのユトレヒトに生まれ、9歳の時に陸上を始めました。オールラウンドな選手として、2010年にはワールドジュニア7種のタイトルを、2011年にはヨーロッパ王者のタイトルを獲得しています。2011年韓国の大邱で行われた世界選手権では、200mの国内記録を更新しましたが、0.05秒の差で決勝に残ることができませんでした。しかし、これがきっかけで当時19歳だった彼女に、この種目に専念したいという思いが生まれたのです。2014年にも200mの記録を伸ばしヨーロッパ選手権に出場、そして100mと200mの両種目で金メダルを勝ち取りました。この優勝で自分の進む道も固め、そこから短距離選手となったのです。
シパーズは2015年6月にその決意を公表。8月に行われた世界選手権(北京)のレースで21.63秒の記録を出し、それが正しかったことを証明しました。オレゴン州ユージーンで行われた2016プリフォンテーンクラシックのインタビューで、7種競技に戻る気はないのかと問われ、笑いながらも自分の選んだ道について確固とした決意を示しました。また、短距離種目に挑戦することを、興奮しながら、「新しく、とても素敵な世界です」と話しています。しかし彼女はプレッシャーの存在も理解しています。シパーズは次のように語ってます。「世界のエリート達と常に肩を並べて競技しなくてはならなくなりました。そこで実力を見せなくてはいけないのです。なぜなら、今、私が世界チャンピオンなのだから。」
かつては2時間から2時間半のサーキットトレーニングを毎日2本こなしていたほどのトレーニングの虫だったシパーズは、今は体の磨耗を抑えながら自分の技を磨くことに力を入れています。いまや世界チャンピオンとなった彼女ですが、短距離走の方法を学んでいるところなのです。
そのために、レースをいくつかのステージに切り分けて取り組んでいます。100mでは、4つのステージに分けレースに臨んでいます。「ゼロから30mはスタートダッシュ、30mから60mまでは抑えめにして体を真っ直ぐに保つ。次の段階で、調子が良ければスピードに乗ります。そこから綺麗にフィニッシュ。フィニッシュ自体も1つのステージとして捉えています。」
179センチと長身の彼女はスタートが苦手です。これは特に100mで顕著に見られ、スタートでは、ブロックからしっかり踏み出せないと先手を越され、そのあと追いつく時間も限られてしまいます。その改善のために、身長の低い選手のテクニックから学んでいます。
同様に200mにも取り組んでいます。「カーブに早く突っ込みすぎると最後までそのスピードを保てません。だから、カーブからフィニッシュに向かって徐々に加速していき、エネルギーを賢く使わなくてはいけないのです。」と、彼女は説明します。100mのスタート時のほんの数ミリ秒の違いや、200mでのカーブなど、些細なことに感じられますが、そうしたディテールが競技においてもメンタルの面でも対戦相手に負けないために欠かせないことなのです。
この夏の課題は、プレッシャーの中でも走れることを証明することです。それにより、昨夏の200mを21.63秒で走って獲得した金メダルが偶然ではなかったことを証明するのです。それに加え、オールラウンダーとして競技を始めたにもかかわらず、「生まれついてのスプリンター」であったことも証明されることでしょう。
ダフネも実践しているトレーニングはNIKE.COM/NTC、アスリートたちのこれまでの道のりや、アスリートのストーリーはNIKE.COM/ATHLETESをご覧ください。
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