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2017年5月7日

Breaking2のレース戦略

史上初のマラソン2時間切りを目指すレリサ・デシサ、エリウド・キプチョゲと ゼルセナイ・タデッセをサポートするペース配分と補給の技術

重要な情報を伝える電気自動車

この挑戦においてはペースが全てです。キプチョゲ、デシサとタデッセは、1:59:59の目標を達成するために、維持することが求められるペースを念頭において走りますが、(アスリートに排気ガスを吹き付けない)電気自動車はランナー達のおよそ6m先を走り、レースのペース、経過時間と予想されるマラソンフィニッシュタイムを表示します。「これは多くのレースでも見られるものですが、普通の先導者は5kmごとに情報が更新されますが、Breaking2の先導車は200mごとに新しい情報を更新します。」と、ナイキ スポーツ研究所の研究者及び主席生理学車のブレット・カービー博士はこのように述べます。

ペーサーがランナーの記録的タイムの維持をサポート

2時間の壁を破るために、必要なペースを1秒でも落とす余裕はありません。そのため(バーナード・ラガトを含む世界屈指の長距離ランナーからなる)30名のペーサーチームが一定のペースを維持し、風の抵抗からランナーを守り、サブ 2のペースでフィニッシュするためのサポートとなります。ペーサーとして招かれたアスリート達は、ランニング能力や性格を基準に選ばれています。「淡々と安定したペースで、同じスピードで何度も走りこなすことができるランナーが求められるのです。」と、Breaking2の科学面の全てをカービーとともに担当している、ナイキスポーツ研究所ナイキエクスプロアチーム ジェネレーションリサーチ担当ディレクターで生理学者のブラッド・ウィルキンズ博士は述べます。

スタート地点では、(黒のドットの)3人のアスリートと(赤と青のドットの)6名のペーサーが一線上に並び、スタート後に素早くフォーメーションを組むことになっています。

「ペーサーのフォーメーションは、ナイキスポーツ研究所がニューハンプシャー大学の風洞を使用し、ウィニング・アルゴリズム社との協力で、2016年の秋に行った風洞実験を元に決定しました。(例えば、空力学モデリングなどの)計算流体力学の知識も活かしながら、ランナーを風から守るための最適なペーサーのフォーメーションを選びました。」とカービーは説明します。

ペーサーはそれぞれ2周ずつ走り、(それ以上走らせることでペーサーの間にブレや疲労が発生し、安定した走りができにくく、転びやすくなるため)その後、(およそ4.8km走ったところで)交代します。交代ゾーンでは一度に3人のペーサーだけが出入りします。フォーメーションは複雑です。「スピードを1秒も落とさないように、交代時の動き方はしっかりと決めてあります。」とカービーは話します。

ペーサーは1周ごとに交代します。ランナー達は交代のスタートラインを超えたところで、2周走ったペーサーが(赤の点)隊列から抜けます。(青い点の)1周走ったペーサーが前に動き、2周目を走り、次に新しく加わる3人のペーサーが横一線上になってランナー達の真ん中に入ります。

アスリートにエネルギーを提供する個別対応の水分補給

キプチョゲ、デシサとタデッセの汗による水分消耗を補い、記録的なレース実現の為に理想的な機能を保つため、レース向けに個別対応の水分補給戦略が組み立てられています。

一周ごとに(2.4km)自転車が特別なボトルを手渡します(アスリートが遅れた場合、テーブルで対応する人が水分を手渡しします)。ボトルの中には炭水化物が含まれた特製の液体が入っています。一人一人のアスリートには、60mlから100mlが入った17本のボトルが準備されています。一人につき、3本から5本のボトルの中に特別なミックスが入っています。「特製ボトルに入っている液体の量はそれぞれ異なり、異なる濃度、異なるタイプの糖分とカフェインのミックスが入っています。」と、カービーは説明します。

Breaking2に関するさらなる情報はこちらからご覧ください。
http://www.nike.com/jp/ja_jp/c/running/breaking2

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