2018年1月22日
ナイキにとって1982年と1985年は記念すべき年です。ナイキ エア フォース 1とエア ジョーダン 1というシューズの歴史にも残るような2つのプロダクトが生まれた年だからです。これら2つのシューズは発売とほぼ同時にコートでの使用用途を超える存在となり、長年に渡って様々なバリエーションに変化していきました。デーブ・ホワイトやミスターカートゥーンを含むアーティストや、CdGからPSNYに至るファッションハウスなどの表現のキャンバスにもなりました。スタイルやトレンドが変わる中、あらゆるバックグラウンドを持つ人々にとって、定番のフットウェアという地位を築いていきました。
これらのアイコンに関する最新のプロジェクトとなったThe 1 Reimagined(ザ ワン リイマジンド)では、今回初めてナイキ社内の独立したデザイナーのグループによって、ナイキ エア フォース 1とエア ジョーダン 1にひねりを入れた表現が生み出されました。プロジェクトに関わった14人の女性は、ナイキが擁する1,000名を超えるデザイングループが持つスキルを代表するような存在です。その中にはカラーリストや素材専門家、メンズとウィメンズのメインの製品ラインを担当するフットウェアデザイナーも含まれます。彼女たちは今回、制約を受けず純粋にデザインを追求し、2つのアイコンに新しい表情を作り出すということに着目しました。
その制作過程について、ご紹介していきます。
The 1 Reimaginedのプロジェクトの根底の目的は、前提を覆すということでした。それを念頭に、フットウェアディレクターのアンディー・ケインは、明確な目的を持って14名の参加者を選びました。ケインは次のように話します。「創造を生み出すのは多様性です。デザインの視点から言えば、一人一人のデザイナーはそれぞれユニークな経歴と個性を持っています。創造性を持つ多様な人々をミックスすることから、マジックが生まれると私たちは考えます。」
ケインは、ジョージーナ・ジェームズをリーダーに指名し、チームのメンバーにはマグニルド・ディジントン、ジャクリーン・ショーフェル、マリー・クロー、色と素材の分野からはチヨ・タカハシを、フットウェアデザイナーのルイザ・ページ、アンジェラ・マーティン・カラ・ナイクレイム、マイル・オディノット、メルシン・デュドンヌ、ジェシ・スモール、ジン・ホン、リバ・ブラマーとシャミーズ・アデンを起用しています。このチームへの課題は、与えられた期間である2週間以内で“かっこいいものを作る”ということでした。
「このプロジェクトに関わり、皆で協力して女性向けプロダクト制作に尽力するということに興奮を覚えていました。」とチームリーダーであるとジェームズは話します。
限られた時間の中で、彼女はまずメンバーをナイキ本社にあるデザイン作業スペースのブルーリボンスタジオに集めました。そのスタジオで、今回初めて協力することとなるお互いの技術を確認しあい、それぞれのプランへの準備を始めました。
「このスタジオで、ペンと紙を片手に今回のプロジェクトで何を目的にするべきかを明確にするため、1週間程度費やしました。」とジェームズは話します。
-様々な背景を持ち、才能と強い意欲を持つグループができました-
ジョージーナ・ジェームズ
制作期間中、グループで何が女性らしい側面を作り出すのかを考えながらイメージを描き、それらをまとめていきました。それぞれ、スポーツに対する意識やファッションのトレンドなどについて話し合いながら、その2つにどのような繋がりがあるかを考えました。さらに、男性の手で男性アスリートのためにデザインされた2つのシューズの要素を検証しながら、その中の何が女性にとって魅力的なものになるのか、何を強調したら良いのかということについて検討しました。深く考察することが、ひとつひとつのアイディアをカテゴリーに分け、整理していくことに役立っていきました。
カテゴリー分類は5つの異なる人格表現:エクスプローラー(冒険家)、ラバー(恋人)、セイジ(賢者)、レベル(反逆者)とジェスター(道化師)へとつながりました。ジェームズがこれらの分類を伝え、デザイナーたちは互いに敬意を払いながら率直な意見交換を行い、プロジェクトが進められていくこととなりました。
アイディアがまとまると、チームはロンドンに向かいました。この目的地を選んだ理由は2つあります。1つ目は、ナイキのロンドンにあるBRSスタジオが日々の仕事スペースとなるということ。2つ目の理由として、ロンドンがファッションの中心地だから選んだとケインは話します。また、オフィスの近くには、サミュエル・ロス、J.W. アンダーソンやクリストファー・レイバーンなど、それぞれ独自の道を開いてきたブランドを目にすることができます。
「1つのプロジェクトに1週間集中して向かい、他のことを考えなくても良いということは贅沢なことでした。」とジェームズは話します。一方クローは次のように話します。「人々が服を着こなしたり、スタイリングをしたりして、何が時代に合っているのか観察することができる“エキサイティング”な場所だった。」
しかし、プロジェクトの作業時間は短く、4日間という期間で成果を出さなくてはいけませんでした。ジェームズは、創造的な仕事ができるようにお互いを掻き立て、ハードワークながらも適切な休息時間を確保したバランスのとれた仕事になるように心がけました。
大切なことは、作業に集中するための贅沢なスペースと、自由に探求、観察することでまとまりの取れたシューズに仕上げるということでした。デザイナーたちは、AF1担当(マグニルド・ディジントン、ジャクリーン・ショーフェル、ルイザ・ページ、アンジェラ・マーティン・カラ・ナイクレイム、マイル・オディノット、メルシン・デュドンヌ)と、AJ1担当(マリー・クロー、チヨ・タカハシ、ジン・ホン、リバ・ブラマーとシャミーズ・アデン)の2つのグループに分かれて作業しました。
「最大の挑戦は、違った個性を持ちながらも繋がりを感じさせる10足のシューズを作るということでした。」とジェームズは話します。
グループの中で、メンバーがそれぞれの役割に没頭していくことでその答えが生まれていきました。ひとつのシューズのスタイルを作り、そこにチームメートの専門性を活かしてアイディアに磨きをかけていきました。さらに、ジェームズによると、色と素材の使い方も表現に生かされていると言います。
クローは次のように話します。「コレクションを作るにあたって大胆な色づかいや素材も検討しましたが、結局は抑えた色合いに落ち着きました。形をしっかり見せるべきだと気づいたのです。色と素材は補完的な存在であり、シューズを履きやすいものにするべきであると思いました。そこで、色のブロッキングの方法やディテールでアクセントをつけることを考えました。」
ロンドンでの4日間の作業期間で、10足の大胆なシューズがデザインされました。これは、まさに多様性と創造力、そしてチームの結束力が生み出した結果です。
The 1 Reimaginedの中で、14名のデザイナーたちは、アイコンにいくつかの初の試みを行っています。自由な創造性を大事にした結果、以下のような要素が生まれました。
The 1 Reimagined コレクションは2月15日からNike SNKRS及び、一部のNIKE販売店で販売予定です。
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