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2017年5月4日

BREAKING2が42.195kmという距離以上の意味を持つ理由

ナイキと陸上界の偉大なアスリートたちが、マラソン2時間の壁を破るという壮大な挑戦が、単純にレース以上である理由を説明します。

1. 2分58秒は、かなり長い時間である
2時間6分5秒から2014年に樹立された現在の記録である2時間2分57秒まで、マラソン世界記録が約3分短くなるまでに16年もかかっています。もしこの歴史が何らかの指標となるのであれば、サブ 2のマラソン記録達成まで、まだ待たなくてはなりません。加えて、サブ 2達成にはメンタル面での挑戦が必要になり、それがさらにハードルを高めています。「2時間のレースの間には、10秒のレースよりも、いろいろなことが起こる可能性があります。」と、10秒の壁を破った短距離走者の一人であるカール・ルイスは述べます。

1991年、カール・ルイスは9.86秒で100mの記録を再度更新し、
その記録は3年近く保持されました。

マラソンの歴史に残る偉大なランナーでさえ、そのバリアの大きさと、乗り越えるために何が必要かを理解しています。「そこまで速く、長く走り続けることは普通ではありません。」と、リオのマラソンで銅メダリストのゲーレン・ラップは述べます。(一つの視点から彼の記録を考えると、彼がサブ 2で走るためには自己記録よりも9分59秒早く走らなくてはなりません。)それでも彼は楽観視しています。「この壁は破れるかどうかの問題ではなくて、いつ破られるか、の問題なのです。」そしてナイキはその歴史的な日が来るのを待つのではなくて、それを到来させようとしているのです。

2. これは陸上競技に残された、最後の壁の一つ
「マラソンは何よりも大きな怪物です。」と、オリンピックの金メダルを5つ保有し、今回エリウド・キプチョゲ、ゼルセナイ・タデッセとレリサ・デシサのサブ 2マラソンの挑戦のペーサーの一人として走るバーナード・ラガトは話します。マラソンが純粋に長距離であるという点も、見る人をさらに興奮させます。「これほどまでに目指すべく優れた壁があるというのは、なかなかありません。」とラップは述べます。これほどまでに大きな陸上競技の記録が塗り替えられたのは、ロジャー・バニスターが1マイル 4分の壁を破った63年前のことであると多くのランナーは話します。

1954年、ロジャー・バニスターが初めて1マイル3分59.4秒で走り、サブ 4を達成しました。
この記録はおよそ46日間保持されました。それ以来、25名のアスリートが1マイルを4分未満で走っています。

この挑戦をより意味あるものにするのは、ほとんどの人が身近に感じられるマラソンの画期的な出来事であるからです。「これはとても稀な挑戦なのです。というのも、マラソンは世界中の誰もが参加出来る競技だからです。」とルイスは述べます。オリンピック女子マラソン初代女王となったジョン・ベノイト=サミュエルソンもこれに同意し、ランニングは世界の共通言語だとも述べています。

3. マラソンは偉大なアスリートさえも謙虚にさせる
Breaking2への参加を決めたキプチョゲ、タデッセとデシサは、ナイキがこの挑戦に最も適していると考えているランナーたちですが、だからといって彼らが完璧に走れるとも限りません。「ランナーにとって、あらゆることが上手くいく日にレースがあたるかどうかによって、結果は決まるでしょう。」とベノイト=サミュエルソンは述べます。

女子マラソンの初代オリンピックチャンピオンのジョン・ベノイト=サミュエルソンは、1983年にボストンマラソンを2:22:43で走り、
女子世界記録を破りました。その後、大会記録は11年間保持されました。

4. この挑戦が人々に目標を与える
3人の勇敢な男たちが、多くの人々の目の前でこの大きな挑戦に挑むのは、あらゆる意味で大きな刺激となります。「Breaking2の挑戦は、私が無意識のうちに自分に課していた限界を考えさせ、それをどうやったら乗り越えられるだろうかと考えさせてくれます。」とラップは述べます。Breaking2の一部の距離をペーサーとして走るためのトレーニングを行なっているラガトは、この経験から大きな夢への挑戦に弾みをつけ、「10kmのアメリカ記録を破ろうと、またやる気が出てきました。」と話しています。

2016年、41歳でラガトは初めての1万メートルレースを27分49秒で走り、
マスターズ世界記録を41秒差で更新しました。

他の人々にとっても、Breaking2は大きなインスピレーションとなります。ベノイト=サミュエルソンがランニングを始めた頃、女性は子供が産めなくなる恐れがあるということから一度に1500m以上を走ることができないと言われていました。「15万マイル走って、子供も2人いますが、私は今でもゴールを目指して走り続けていますよ。人生をかけて何かをやっている誰にとっても当てはまることと思うのですが、不可能に思える壁に挑戦することは、それがどんな目標であってもやる気を与えてくれるのです。」と話しています。

5. 勝利がマラソンという競技を変貌させるかもしれない
女子マラソン世界記録保持者のポーラ・ラドクリフは、この挑戦があらゆるランナーにとって重要なものだと言います。「誰かが出来るということになれば、ロジャーが1マイル4分の壁を破った時のように、マラソンランナーたちに可能性の窓を開くことになります。」とラドクリフは述べます。かつては不可能であったものが、普通のことになる。「ほとんどの人が1マイルサブ 4は実現しないと思っていましたが、今は高校生でもやっています。それが出来ると、誰かが一度世界に信じさせることが必要なのです。」とラップは話します。

ゲーレン・ラップはこれまで走ったマラソン大会すべてで表彰台に立っています。
リオ予選では2:11:13で優勝、リオでは2:10:05で銅メダル、今年のボストンは自己新の2:09:58で2位になりました。

6. レースの日は人々を繋ぐ
人間の能力がその限界を破り、超える機会を目にするために声援を送ることは、年齢、性別、人種を超えて、人々を結びつける力を持っています。「Breaking2は、努力、意欲、決意と支援を大きな壁に挑戦するために集結させれば、その壁を崩せることを示す機会にもなります。」とラドクリフは話します。何よりすばらしいのは、「その壁」というのは、どんな壁でも構わないということです。

ポーラ・ラドクリフが2003年に樹立した2:15:25の女子マラソン世界記録は、
今も保持されています。

Breaking2の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.nike.com/jp/ja_jp/c/running/breaking2

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