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2018年2月5日

NIKE MERCURIAL HIGHLIGHTS: 速く もっと速く

1996年、ナイキは世界の大会で最も多くの栄誉を持つブラジル代表チームとのパートナーシップを結び、彼らのプレーに相応するスパイクを作る使命を負いました。チームの若きストライカー、ロナウドがその象徴的存在として選ばれました。ピッチでの彼は我慢強く、様子を見張りながらその時を待ちました。そして機会がくると、誰にも負けない速さでボールに向かい加速を続け、打ちました。ゴールが眼中に入ると、ロナウドはまるで違う人のようになりました。まるで気まぐれな人(マーキュリアル)のように。

ロナウドの爆発的なスタイルに合うスパイクを作るため、ナイキデザイナーたちはトラックに目を向けました。コンセプト開発初期には、陸上スパイクを分解し、ナイキ ティエンポのアッパーと組み合わせ、フットボールスパイクにはありえないほどまでの軽量化を目指しました。その答えとしてデザイナーたちは、長い間使われてきたカンガルーレザーを捨て、カンガルーに代わる合成皮革KNG-100を採用しました。2つ目の大きなブレイクスルーはプレートの厚みを業界標準の3mmから1.75mmにまで大胆に変えたことでした。「当時は全てが衝撃的でした。見た目も素材も、なんと考えたら良いかわからないくらい、とても興奮を覚える瞬間でした。」と、このイノベーションについて、イタリアのモンテベルーナにあるナイキプロダクト開発センターのルカ・バルパーニは述べます。

ロナウドは1998年6月16日、生まれたばかりのマーキュリアルで初めてのハーフボレーのシュートを決めました。それからおよそ20年間、カジュアルな5人制ゲームでのゴールから、優勝を左右するペナルティキックまで、何千ものゴールがこのシリーズのスパイクで記録されています。スパイク自体も進化を続け、常にその時に活躍するマーキュリアルアスリートのニーズを満たし、フットボールに新しいイノベーションと美しいスタイルを提供してきました。

1998 ナイキ マーキュリアル: スピードのために作られた初のスパイク

The genesis: 当初ティエンポ ウルトラライトそして、ロナウド ウルトラスピードと呼ばれたナイキマーキュリアルは、ロナウドの驚異的なスピードを念頭に開発されました。

The tech: 天然皮革のような性質を持ちながらも、水分を吸い込むことはない合成皮革で薄く軽いKNG-100を使ったアッパーは、合成素材への偏見を打ち破り、フットボールシューズの新しい作り方を確立させる存在となりました。レーシングバイクのシャシーを参考にした表面の粘度を高めるコーティングは、究極のボールコントロールを実現しました。

The look: ロナウドの足元ではブルーとイエローの色が、鮮やかな印象を与えました。

2000 ナイキ マッチ マーキュリアル: 速く もっと速く

The genesis: このスパイクの第2世代からの開発は、ナイキの「アルファプロジェクト」の一部となり、マーキュリアルR9、エア ズーム イタリア、マッチ マーキュリアル、(フルレングスのナイキ ズームエアを取り入れたマーキュリアルの中でも珍しいプロダクト)エア ズーム マーキュリアルを含む、優れた機能性を持つ証とする5つのドットをつけたアルファプロジェクトのプロダクトは、スパイクの軽量化に特に力を入れて作られました。

The tech: たった230gのナイキ マッチ マーキュリアルは、オリジナルのナイキ マーキュリアルで終わりを見ることとしなかった軽量化への挑戦の結果です。

The look: マッチ マーキュリアルはオリジナルと同じ足型を用いながら、見た目には特徴的な美しさを与えられていました。特にロナウドのシグネチャーとなったマッチ マーキュリアルR9では、KNG-100の色が踵からつま先に向かってメタリックコパーがブラックに変遷しています。

2002 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー: トラックからピッチへ

The genesis: マーキュリアルのアイディアは、ピッチ向けの陸上スパイクを作ると言うところから生まれましたが、マーキュリアル ヴェイパーは、90分間のダッシュと、スピードのあるプレイヤーのために完璧な接地感を提供することを念頭に作られました。

The tech: 余計な重さを取り除くため、接着剤から縫製用の糸まで全ての重さを計りました。新しい、足の骨格に合わせて作られた足型は、足に自然に馴染んでプレッシャーを抑え、プレイヤーの足をスパイクに近づけました。この革新的なフィットにより軽量化を計り、快適さを高め、さらにマーキュリアルのDNAが導くとおり、スピードを高めました。アメリカ人スター選手の(2003年と2004年にアメリカ女子チームを勝利に導いた)ミア・ハムやブランディ・チャステインもマーキュリアル ヴェイパーを着用しました。彼女たちの意見が元になり、女性の足に合わせて作られた2003 ナイキウイメンズ マーキュリアル ヴェイパーが生まれました。

The look: スピードが全て:当時最速の自動車をインスピレーションにした形。

2004 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー II: 新星誕生

The genesis: 完璧な接地感を生み出すために快適さを高めることが求められました。

The tech: フィットの改良には、ヒールタブを大きくして足首周りのクッション性を高めることも含まれました。

The look: チームレッド・エディションでは、大胆な色合いがマーキュリアル ヴェイパーにふさわしいことを伝えつつ、それでもロナウドのシグネチャーに使われたゴールドとブラックのマーキュリアル ヴェイパーII R9が一番人々の心に残るものとなりました。この大胆なデザインにふさわしく、当時頭角を表しつつあったクリスティアーノ・ロナウドの足元でこのスパイクが輝き、その伝統もスムーズに受け継がれていきました。

2006 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー III: 足馴染み

The genesis: マーキュリアル ヴェイパーIIIで重要視した点は、試合中続く快適さを維持させながら、足とスパイクとの距離を縮めること。

The tech: 足の形によく馴染む帝人®のマイクロファイバーがアッパーに用いられました。足の形によく馴染むヒールカップは素材を露出させたままで使いつつ、クッション材をこれまでよりも増やして使い、骨格に合わせて曲線的に作ったスピードラスト(足型)と連動してフィット性を高めたのに加えて、カーボンファイバーのヒールラップがヒールストライクの衝撃を分散させました。2分割のプレートにスタッドを直接射出成型して、多方向への移動や加速の時のトラクションを確保しました。

The look: クリスティアーノ・ロナウドは大胆なカクタス・カラーを着用しました。一方、ブラジルのロナウドは限定版のマーキュリアル ヴェイパーIII R9で大会得点記録を記念し、(2007年発売の)10周年記念版ではマーキュリアルとスピードの10年の歴史を振り返りました。これは、カーボンファイバーを用いたマーキュリアル ヴェイパーIIIに、オリジナルのマーキュリアルの特徴的な彩りを配したものになっています。

2008 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー SL: ど肝を抜くもの

The genesis: フットウエアデザイナーのマーク・パーカーが2006年1月にナイキCEOに就任すると、彼は社内デザインチーム全員に、デザインに制約をつけず意表を突くものを作り出すことを求め、競技向けフットウェアにおけるイノベーションの意味を再考することを促しました。

The tech: この要求に応え、ナイキ フットボール チームはマーキュリアルの軽さとスピードのコンセプトを大きく加速させました。重さはたった185g。イタリア製のアッパー、ドイツ製のプレート、韓国製のアウトソールを生み合わせたマーキュリアルSLは文字どおりグローバル スポーツであるフットボールの産物です。

The look: これでもかと言うほどの、見紛うことのないカーボンのアッパー。ジャージからショーツにかけて、カラーリビールテープを採用。大き目のメッシュが現れた時に多くの空気を取り入れて体温の上昇や発汗、ユニフォームの突っ張りを抑え、アスリートにかかるストレスを軽減しました。

2008 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー IV: 大胆な動き

The genesis: 課題としたのは広いシュート面を確保した流線型の短距離スパイクのスタイルを提供すること。

The tech: 帝人®のアッパーでシューレース部分を覆い、グラスファイバー製のシャシーが陸上スパイクのように瞬時の加速を可能にしました。

The look: スピードを内に秘めたマーキュリアル ヴェイパーIVは、オレンジピールとシトロンというこれまでになく大胆な色をフットボールピッチにもたらし、さらにマーキュリアル ヴェイパー ローザも黒スパイク信者にとどめを打つような華やかさを見せつけました。

2009 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー スーパーフライ: フィットを完璧に

The genesis: アスリートが望むものは?履いている感覚を減らしながら、全ての要望を叶えられるスパイクにするためには?その答えから生まれた、当時最軽量・最速のスパイク。

The tech: 超薄型の帝人®製スキンと、(軽量なサポートのために作られ、北京で初めて登場した)フライワイヤーの糸を組み合わせたアッパーが、足をしっかりとスパイクに安定させました。細部まで調整されたシェルが最適なフィットと妥協のないボールの感触を実現しました。新しく軽量なトラクションを提供するクリーツとカーボンファイバーのシャシーでスパイクをできるだけ軽量にすると同時に、7層のカーボンのアウトソールが最大限の弾性と屈曲性を提供しました。アッパーとソールがバランスよく機能し、アスリートが素早く加速・反応できるスパイクに仕上がりました。

The look: スパイクの中でも特徴的な要素であるフライワイヤーがマーキュリアル ヴェイパー フライにハイテクな印象を与えました。

2010 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー スーパーフライ II: 猫のような反射

The genesis: チーターをインスピレーションに、マーキュリアル スーパーフライ IIはトラクションによるスピードを追求しました。

The tech: クリスティアーノ・ロナウドの意見も生かし、マーキュリアル スーパーフライ IIにはナイキ センス テクノロジーを取り入れ、革新的なスタッドで、足圧や路面の状況に応じて数ミリ単位で伸縮し、あらゆる方向への動きに最適なスピードと安定感を提供し、あらゆる方向転換を加速させることで、大事な一歩の踏み出しを勝利への機会に変えていきました。2010年夏の南アフリカから、マーキュリアル ヴェイパー スーパーフライ IIにもエリートシリーズにふさわしい仕上げが施され、カーボンファイバープレートを使った軽量化でスピードもさらに増幅されました。

The look: エリートシリーズではマッチバイオレットとトータルオレンジのカラーによってもプレミアムなスピードが実現されました。この色合いは、試合環境において周辺視野を刺激する色を丹念に研究した結果選ばれていました。

2011 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー スーパーフライ III: しっかりとした足元

The genesis: 敵の好機につながる小さなつまずきやスリップをなくすことにフォーカスしたナイキ マーキュリアル ヴェイパー スーパーフライの第3弾。

The tech: つま先のトラクションがスリップのリスクを減らし、三又のブレードが方向転換のスピードを最大限高めました。カーボンファイバーのシャシーも用いて改良された複合素材のアッパーは、これまで以上に流線型を描きました。

The look: スーパーフライIIIのかかとの大胆な色の配置と全体的な色の組み合わせは、エリートシリーズに共通する視認性を高めるコンセプトに基づきました。

2012 ナイキ マーキュリアル ヴェイパーVIII: 気がつけばいなくなっている

The genesis: マーキュリアルファミリーに登場した新顔には、ボールに向かう時の加速と高速移動時のボールタッチを基本性能として組み入れました。

The tech: 新しい屈曲性に優れたファイバーグラスのアウトソールは、スタッドに土台をつけたような構造にすることで、ピッチへの踏み込み・踏み出しを素早くし、足圧が大きくかかる中央部のスタッドは特に加速を高めるためのデザインにしました。曲線的な足型は足の自然な形に馴染み、かかとに柔らかい素材を使って不快感を最低限に抑えました。つま先のせり上がりを低めにし、アーチをこれまでよりも削り込んだことで、これまでとは違うスパイクのフィットを生み出し、帝人®のマイクロファイバーを使ったスエードのような仕上がりのアッパーが、より裸足のような感触でボールをタッチしコントロールできるようにしました。

The look: 最初に展開された見紛うことのないマンゴのカラーが、特に人目をひくこととなりました。

2013 ナイキ マーキュリアル ヴェイパー IX: 究極のコントロールのための再生

The genesis: 9代目のマーキュリアル ヴェイパーは完璧なコントロールを目指しました。

The tech: アッパーには水に濡れても変わらないボールの感触を提供するオールコンディションズコントロール(ACC)テクノロジーと、ゴルフボールの表面のような手触りを提供するスピードコントロール機能により、ボールに対するソフトタッチとしっかりとした摩擦を生み出しました。2種類のガラス素材を組みわせた軽量プレートの採用により、屈曲性を高め、非対称に配置されたツインスタッドが圧倒的な反応性を持ち合わせた加速を可能とし、全方位にトラクションを作り出しました。

The look: クリスティアーノ・ロナウドのためのCR7 エディションのマーキュリアル ヴェイパー IXには、新しい手触りのアッパーにネオン カラーとサファリのデザインをあしらいました。さらにCR7 マーキュリアル ヴェイパー スーパーノヴァでは、アッパー全面に「銀河系」のデザインを施し、マーキュリアルシリーズの地球のものとは思えない爆発的なスピードを表現しました。

2014 ナイキ マーキュリアル スーパーフライ IV: 足につけたスリングショット

The genesis: 最新バージョンは、常に敵に先んじる、サッカーの未来を描くような選手のためにつくられました。

The tech: 新しいスリーニットウィーブ製法のアッパーは、足とボールの間に存在する素材を減らし、トップスピードでプレーするときに欠かせないボールタッチの質を向上させました。足首部分にミッドカットのダイナミックフィットカラーを採用することで、足とスパイクの連動性を高めました。直接ブリオケーブルを編み込んだアッパーでフルレングスのカーボンプレートに足を固定させ、地面に足の力を効率的にかけられるようにしました。ヒール部分のスタッドを増やして安定性を高め、陸上スパイクから着想されたマーキュリアルらしいつま先のトラクションがグリップと推進力をもたらしました。

The look: ナイキマジスタに初めて登場したダイナミックフィットカラーは、フットボールスパイクの形を明らかに変えるものとなりました。これがマーキュリアルに加わると、その新しい印象はピッチを超えてHTM ナイキフリー フライニット マーキュリアルSPにまで派生し、これが最近のフットウェアの歴史に残るような大きなトレンドの始まりとなりました。

2016 ナイキ マーキュリアル スーパーフライV: 4つの「初」でさらにレベルを上げる

The genesis: プレイヤーが最高のスピードを発揮できることだけを目標に、すべての部材が一体として機能するように、マーキュリアルの究極の表現を目指してデザインされました。

The tech: 足の形に合わせて開発した新しいプレートは、足の自然な曲線を反映したもので、これまでに足の下に存在した隙間をなくし、新しい真空成型工法を採用し、一枚構造のプレートにしました。そのため、新しいマーキュリアルプレートはこれまでのカーボンファイバープレートよりも40%軽くなり、同時に強度と反発性は高くなりました。今回初めて、ナイキフットボールでは仮想有限要素解析(FEA)を行い、(直線での短距離走などで)スピードを持ち味とするプレイヤーにとって、どのトラクションパターンが加速に適しているのかを識別するための科学的データを入手しました。データに基づいて開発したパターンは、加速のときには鉤爪のように働きます。
今回初めて、ナイキはフライニットの「スピードリブ」と呼ぶ立体的な構造を、データをもとにデザインしました。これは、素材の表面に盛り上がりをつけて、それがアッパーとボールの間に摩擦を起こします。

The look: マーキュリアル スーパーフライV の美しさについては、クリスティアーノ・ロナウドの特別版の一連のカラーがそのポテンシャルを発揮しています。ロナウドの生涯得点記録を記念した第5章:Cut to Brillianceもその一つです。

最新のマーキュリアルは日本時間の2月8日に登場します。

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