2010年10月14日
2010年10月14日、株式会社ナイキジャパンは、「渋谷区立宮下公園の整備工事」(公園所在地:渋谷区神宮前六丁目20番10号)への支援を開始します。竣工・オープンは2011年4月下旬を予定しています。
ナイキジャパンの整備工事支援は、地方自治体が公営の公園の整備工事を民間企業と協同で臨むという試みです。ナイキジャパンは、本プロジェクトがすべての渋谷区民が楽しめる緑の空間を提供し、官民が協力体制を実現するベンチマークとなることを期待しています。
ナイキは、スポーツを身近に楽しむ機会を世界中の人々に提供することを理念としており、今回の支援はその一環として行われます。宮下公園を様々な世代の住民や利用者が、豊かな余暇の時間を過ごすことができる安全かつ優れた設計のスペースに改修し、スポーツを通して地域コミュニティーに貢献できる機会をいただいたことを、大変うれしく思っております。
ナイキジャパンでは、渋谷区を通じて、地元の9つすべての町会と商店街組合などから、今回の整備工事支援計画に対する強い支持と賛成をいただいていることを確認しています。
また、「宮下公園」の名称はこれまで通り「渋谷区立宮下公園」となります。
宮下公園の状態は、渋谷区が管理する公共スペースでありながらここ近年、悪化していました。施設の老朽化や散歩道の荒廃が進み、安全性も損なわれていたため、公園利用者は減少し、公園の安全性に関して住民からの苦情や、改善の必要性を強く訴えるたくさんの要望が渋谷区に寄せられていました。
同公園内のホームレスの方々については、渋谷区によって生活再建に向けた人道的な支援が積極的に行われてきました。渋谷区の担当者がご本人の意向を尊重しながら、お一人おひとり丁寧に自立支援や住居支援を行った結果、現在ではすべての方々の移行が完了しました。
宮下公園の整備工事におけるナイキジャパンの整備支援内容は以下の通りです。
整備工事のために宮下公園から移動されたホームレスの方たちについて:
2004年、宮下公園に起居していたホームレスの方は105人でしたが、フットサル場の建設時に、渋谷区の福祉支援事業によってその数は減少し、2009年9月時点では、30人の方が生活をしていました。
宮下公園の整備工事にあたり、渋谷区の公園課と生活福祉課は共同で、ホームレスの方々に対し、ご本人の希望や意向を聞く調査を実施しました。さらに、巡回相談を定期的に実施し、路上生活者対策事業や生活保護など福祉サービスにつなげるなど、この機会に改めて社会復帰や自立に向けた支援を行ってきました。
また、渋谷区では、緊急一時保護センター、自立支援センターへの入所をあっせんするとともに、テント小屋の代替地の提供を行ってきました。これらの取り組みが功を奏し、中には自立してアパートへ転居した方たちもいます。
2010年10月8日には、宮下公園に残っていた最後のホームレスの方が自主的に代替用地に移動されました。
今回の工事着工については、地元の9つすべての町会と商店街組合などから渋谷区に対して整備工事に関する強い支持・要望をいただいています。
ここにその内容の一部をご紹介します。
宮下公園が不法占拠にされているため、区民のだれもが安全・安心に利用できない状況にあり、いつ解決されるのか憂慮しておりました。
是非ともユニバーサルデザインによる公園整備を早期に実現し、子供たちや高齢者が憩い・楽しみ、そしてスポーツを中心に健全な若い人たちが集まることで街がさらに活性していくことを望んでおります。
宮下公園は渋谷駅直近にある貴重な空間でありながら、不法占拠者や多数の不法占有物などの問題もあり、維持管理が十分行えず、深い緑とあいまって、暗く近寄りがたく、利用しづらいことを常々残念に感じておりました。
故に、昨年決定された民間企業との共同によるスポーツパークへの改修により、活気に溢れ、区民の憩いの場として再生されることは、渋谷駅周辺地域を南北につなぐ軸が活性化され、官民共同で検討されております「渋谷駅中心地区まちづくり指針2010(案)」におけるまちづくり実現の先駆けになることと大いに期待しております。
ご参考:渋谷区ホームページ 「区立宮下公園の整備について」