今回のコレクションには、トム・サックスが新しくデザインしたナイキ マーズ ヤード オーバーシュー、ナイキ x トム・サックス ポンチョ、ナイキ x トム・サックス ビーニーなどが含まれます。
ナイキ マーズ ヤード オーバーシューを制作したきっかけは、冬の終わりに足が冷たく濡れてしまうという簡単な理由からでした。
トム・サックスは次のように話しています。「マーチ ヤード(=3月の裏庭)というニックネームがつけられたナイキ マーズ ヤード オーバーシューは、ニューヨークで最も悪天候とされる3月のために作られたシューズです。その時期はいつも雨が降り、足が濡れたままになってしまうからです。」
この話はシンプルにみえて、実際はもっと複雑で、試行錯誤と質問、回答の繰り返しでした。サックスは経験から学び、より正確にものを作り、直接的に試すことによって学びます。彼は、彫刻家として有名になり、今では様々なメディアを用いた作品を制作し、ありのままの素材と、物事の仕組みの根底にあるものを大切にしています。
ナイキクラフトとして知られるナイキとのコラボレーションも例外ではありません。サックスは次のように話しています。「ナイキクラフトは一つの形容詞であると言えます。これは、ナイキだけが作ることができるものと、サックスだけが作ることができるものの組み合わせを意味します。フィフティ、フィフティであり、実直な美の表現でもあります。」
サックスが初めて手がけたナイキのプロダクトは、2012年に発表され、それ以降彼のフットウェアは拡大しています。これらの経験から、彼は自分の興味のある分野について疑問を明らかにするということを学んでいきました。これは、モノの機能性についての限界を押し破ることにもつながります。サックスは、何がうまくいくのかというだけではなく、どれだけそれがうまくいく可能性があるのか、ということまで常に厳しく追及します。これにより、ナイキのデザイン的な思考を中断させることもありますが、サックスはソリューション開発に新しい視点を盛り込むことを得意としており、自ら新しい切り口を見つけていきます。そういう意味でも、ナイキクラフトはフィフティ・フィフティの関係で成り立っています。
サックスは次のように説明します。「スタジオで何かを作ることはとても簡単です。一つずつものづくりができるという環境にも恵まれ、その利点もあります。しかし、ナイキ的な方法でものづくりをする時には、大量生産にも対応しなくてはいけません。アーティストとして、ナイキが私に与えてくれた最高のことは、私のクリエイティブプロセスを拡張する能力であり、“これは制約要素ではない。考える方法は他にもあるのだ”という考え方につながりました。これは大変価値のあることです。私にとって最大の挑戦は、このような背景から実現できました。」
サックスは最初に作ったマーズ ヤード シューズが、日々の過度な使用には耐えられないことに気づきました。
摩耗試験者としての彼の経験が認められ、サックスのスタジオはナイキ史上初の都会の摩耗試験センターとなり、2017年発売のナイキクラフト マーズヤード 2.0につながりました。初代で使ったヴェクトラン素材のアッパーに代わり、ポリエステルを縦に編んだトリコットメッシュを使用し、都会の環境での使用に適するように、アウトソールのパターンも逆にしてあります。
ナイキクラフト マーズヤード 2.0は悪条件に適合するように作られたモデルで、サックスの最新のナイキとのプロジェクトであるナイキ マーズ ヤード オーバーシューは、このプロセスの延長線上にあります。サックスは、悪天候によって濡れて冷たくなった足へのフラストレーションに対応するという課題の答えを出すことを通じて、ボートのロープや帆に使われている高強力な繊維のダイニーマ素材を使用するというソリューションに至りました。様々な経験を生かし、多様な機能性を盛り込むことができました。オーバーシューをずっとつけていると、悪天候からの防備になりますが、それを巻いて下に下げることで内部の温度上昇にも耐えられます。2つの形に変えられることで、ニューヨークの3月の天候に適したものとなり、ストリート、地下鉄、さらにはファッションとしてもシックな仕上がりになっています。アウトソールの接地面に小さな切れ込みを入れた新しいソールのパターンは、ニューヨークの冬を熟知しているからこそ生まれたデザインです。サックスの他のプロダクトと同様、ナイキ マーズ ヤード オーバーシューは素材や製作工程の実直さにアーティストの感性がバランスよく配合されたものとなっています。
ナイキ マーズ ヤード オーバーシュー以外にもナイキ x トム・サックス ポンチョがあります。一見、脇のストラップで調整ができ、たくさんの収納ポケットがついたウェストパックにも見えますが、前部にある安全ボタンを解除して色がついたコードを引くと、雨風を遮るポンチョがパラシュートのように開く仕組みとなっています。脇のスナップを止めれば、悪天候の中でもより安心して過ごすことができます。
ナイキ x トム・サックス ポンチョについての詳細はこちらのムービーよりご覧ください。
ナイキ マーズ ヤード オーバーシューとナイキ x トム・サックス ポンチョ、ナイキ x トム・サックス ビーニーは4月27日からNIKE.COM/NIKELAB、SNKRS、NIKELAB MA5、DSM GINZAで順次発売予定です。
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