1925年オハイオに生まれたマリオン・フランクリン・ルーディ(下の写真)は航空宇宙エンジニアでしたが、他業種で生かせるクリエイティブなソリューションを開発しようと、60年代後半にそのキャリアを離れました。その大胆なアイディアの一つが、スポーツ用シューズのソールの中に小さな空気のバッグを入れて、衝撃を和らげるというものでした。このエア バッグのイノベーションを23のシューズ会社に売り込みましたが、全てに断られました。その後、彼は1977年にこのアイディアをフィル・ナイトに発表しました。ナイキの創立者の一人であるナイトは、この空気のクッションの入った試作シューズを履いて、ビーバートンの本社の周りを試走に出かけると、興奮した様子でオフィスに戻ってきました。ルーディのシューズには、これまでにないスムーズなライド感があったのです。ナイキがエアを発見した瞬間でした。
もちろん、エアを最初に取り入れたのはランニング用シューズです。初めてエア クッショニングを搭載したのは、1978年発売のランニングシューズ、テイルウインドでした。当時は、シューズで盛り上がりを図るということ自体まるでなかった時代ですが、ナイキのマーケティングスタッフは、幅広く商品を展開する前に限定数を先行発売することにしました。ニューハンプシャー州エクセターにあったナイキの初代研究開発所にいたシューズ製作者たちがこの高度な技術を備えたシューズを250足作り、ホノルルマラソン前にハワイのランニングストア6店舗に送ったのです。50ドルというこれまでにない高値にもかかわらず、シューズは24時間もたたないうちに売り切れました。
エアが生み出したのは、ランナーの足元の高揚感にとどまりませんでした。1978年、テネシー大学ノックスビル校の研究者たちが、テイルウィンドを履いた10人のランナーにトレッドミルで走ってもらいました。その結果、従来型のランニングシューズを履いた時よりも、エア シューズで走ったほうが消費エネルギーが少ないことがわかりました。
ランナーと科学がエアの価値を認めたのです。80年代中頃までに残された課題は、より多くのジョガーたちの注目を惹くことでした。その時に、大胆な意欲とデザインが一翼を担ったのです。
エア ソールが大量生産に耐えられるかを確認するため、ルーディは実質的にバッグを柄頭で叩くような(ある意味この絵のような)機械の設計にも協力しました。彼はこの機械の名前をキム・テスターと名付けました。これは父親が作ったたくさんのエア ソールのデザインを試す役割を果たしていた彼の娘の名前をとったものでした。各生産バッチからエア バッグを一つ取り出し、キム・テスターでエア ソールの信頼性と耐久性を確認しました。バッグがお仕置きのような試験に耐えられた場合、そのバッチが合格となります。それが潰れたり破裂した場合には失格です。キム・テスターが最初に使われた1980年以降、より効率的で洗練された試験方法が採用されています。
ティンカー・ハットフィールドが最初に描いたビジブル エアのスケッチ
エア マックス 1でも有名なデザイナーのティンカー・ハットフィールドが、エア マックスを生み出した時代のことを思い返しながら次のように話しています。
「ナイキは70年代に、これまでになかった多目的で高機能なシューズという、わかりやすく実用的なアプローチによって、スポーツデザインの頂点まで上り詰めました。そして80年代になって、これがある意味停滞した状態となりました。ナイキがやっているものに限らず、世界中で誰もが何か違うものを求めるようになっていたのです。
音楽も変わってきていました。ディスコの時代が終わりました。私には当時3人の小さな娘がいて、それほど音楽を聴いていなかったので、どう変わったかまでは説明できません。ただ、何か不思議な状況になっていました。アートやデザインでも同じようなことが起こっていました。80年代中頃は形式張った階級制度から、もっとゆるいストリートをベースにしたインスピレーションを大事にする時代への移行期でした。ナイキの中でも私たちはその流れを受けており、私はたまたま誰よりも早くフットウエアのデザイナーとしてこの変化に乗っていったと言えます。
幸運だったのは、ナイキが少し鋭気を失っていた頃にこの変化が起こったということです。何か新しく違ったものが欲しいという思いが膨らみ、自分たちの周囲にあった創造的な動きにつながっていったのです。
この創造的な刺激からビジブル エアやその他のイノベーションが生まれ、ナイキでも最も有名なクッショニング・プラットフォームとして30年間の生まれ変わりを続けるものとなり、さらには何よりこれが初めてスポーツエ ンジニアリングとデザインカルチャーが深い意味で繋がったものと言えるでしょう。」
大きなウィンド。前足部のエア。フルレングス エア。チューンド エア。90年代、その時代背景を反映しながら、エアの構造や外見も大きく変更し、エアに“マックス”の名もつくようになりました。
この時代、音楽も新しくなりました。ヒップホップが広がり、ブリットポップがヒットチャートを独占し、新しくテンポの早いダンスミュージックによって、ヨーロッパのレイヴにもスポーツウェアが受け入れられるようになっていきました。
90年代のスポーツとカルチャーの融合の中で、スポーツウェアが生まれました。エア マックス 90からエア マックス プラスに至る大胆なエア マックス モデルは、一つ生まれるごとに大きく、大胆にカラフルになり、それが衣服の変化にも影響を与えていきました。
新しいテクノロジーが人と人との繋がり方も変えていきました。ワールド・ワイド・ウェブが1991年には現実のものとなり、iMacが登場する1998年には新しいプラットフォーム(1995年に生まれた斬新なデジタルオークションサービスなど)が人々のコミュニティを作る方法や、物の売買の方法さえ変えてしまったのです。このデジタル革命が、スニーカー集めを口コミベースのニッチなライフスタイルから世界的な現象にまで変えることにも繋がりました。
40年余りで500を超える米国特許取得
述べでおよそ700万平方フィートの米国内のエア専用工場
豊かな歴史がある中で、エアのストーリーが過去のものとなることはありません。ほぼカルトとも言えそうなほどのエアのモデルへの愛情が、ほとんどすべてのバージョンに注がれていますが、これは現在も続いています。さらに継続的に新しく生まれたり、それを生み出す創造力が溢れ続けていることはまた、エアが未来にも近いところにあり続けるということも意味します。
ナイキ エア マックスの創作には協力関係、仲間、団結が求められます。
このプロセスはエア・マニュファチャリング・イノベーションから始まります。ここに勤める人たちは、エアの形、感触、構造などに関して、可能性を思い描き、未来のデザインの発想を生み出す責任があります。エンジニアリングの画期的な技術によって、より柔らかく、よく弾み、屈曲性に優れたライド感が生まれるのです。
カラーデザイン担当ナイキVPのコートニー・デイリーは次のように話します。「カラー、コンセプト、デジタル、フットウェア、グラフィック、素材、プリント、パターンやその他いくつもの分野にまたがるナイキ デザイン チームのすべての部門が関わり合って、エア マックス 720など新しいエア マックス シューズのイノベーションを生み出すための創造性が広がっていきます。すべての分野から生まれる創意工夫を組み入れ、うまく融合させることが理想的な製品作りに不可欠です。」
「例えば、色はテックな部分を強調させながら、シューズの独自性を表現させることをバランスよく行う必要があります。」
相乗効果を生み出すアプローチと強固なチームワークがあってこそ、ナイキが新しいパラダイムを開き続けることができたのです。エアについて言えば、それは新しい形、新しい履き心地であったり、大胆な未来の表現の誕生を意味します。
端的に言えば、エアは常に前衛的。87年から未来永劫、現代を象徴する要素であり続けるのです。
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https://news.nike.com/news/history-of-nike-air
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